検証の重要性

最初の頃は何もかも新鮮で色んなことに手を出した。
しかもマーケットに対して恐れがないから、割と上手くいって余裕だろ、なんて思っていた。
しかし、少しずつ負けがこんでくると、あれ?やり方が良くないのか?と思って手法探しの旅に出る。
これは最初に誰もが通る道ではないかと思う。
そこで、その時は初心者なりにルールを作ってみた。
リスク管理も資金管理もガバガバではあったが致命傷にはならなかった。
しかし、ルールを作っても中々守れない。
目の前の数字が上下していると冷静ではいられなくなる。
エントリーすると利益が乗る。ルール通りならまだ利食いしてはいけない。
だが、利益を逃したくないからすぐにチキン利食いしてしまう。
次に負ける。仕方ない。もう一回負ける。あれ?大丈夫かこれ?
更に負けそうになる。こうなるとストップの位置が悪いのかと思い、ストップを遠くする。
そこで更に大きく負ける。
次にエントリー。今度は利益が伸びてきている。
しかし、さっきまで負けていた記憶が頭にこびりついて、負けを帳消しにするためチキン利食いしてしまう。
こうなるとトータルでプラスに持っていけない状態にハマる。
しかし勝負するしかないのでさらにエントリー。また負け。
これで勝てるなんて嘘だろ!と思ってまた違う手法を探す。
チャンスを探すエントリー手法だけではルールとは呼べない。
損切りから利確、トレイリング、ポジションサイズから増し玉、全てが詰まってルールと呼べる。
利益を急いでチキン利食いする。これはルール違反。
損切りを恐れてストップを遠ざける。またルール違反。
エントリーを躊躇する。更にルール違反。
焦ってエントリーすべきでないポイントでエントリー。これは大ルール違反。
これだけルール違反を重ねると期待値なんてあったもんじゃない。
ただ、このルール通りやるというのは本当に難しい。
頭で理解していても、つい指先が反応してルール違反をしてしまう。
ルール通りにできるようになるためには、そのルールが身体の芯まで染み渡っていないといけない。
それを行うには、数え切れないくらいの検証を繰り返すことによって初めて可能となる。
ルール通りにトレードを実行していく。
それが当たり前のように出来るようになるためには、徹底的な検証が不可欠だ。

正しく検証する

ちゃんとした手法で、ちゃんと検証したのに、勝てないと思ったことは無いだろうか。
過去のチャートを見てトレンドが出ているのは明らかで、それを取るにはココのラインでエントリーすればいける!と意気込む。
でも実際のトレードになると、検証していたのとまるで違う結果になる。
結局は検証出来ているようで実際には出来ていない、検証の仕方が間違っていたのだ。
検証ってのは、何もエントリーポイントを見つけて、その後ストップにかかったかリミットにかかったかをただ何も考えず記録していくだけでは意味がない。
リアルタイムの値動きを見ながら本当に自分が実際にエントリーしている時のような心理状態でやらなければ意味がない。
過去のチャートを見て勉強することはとても大事だが、リアルタイムで実際にその動きを見ながら取れていたか、と考えながら検証する。
本当にその勢いのときにポジションを持てただろうか?
含み益が得ることが怖くなってすぐにトレイリングストップを上げていかなかっただろうか?
損切りラインに近づいていく時にビビッて手放さなかっただろうか?
過去の流れはもう決まっていて、被害も無いので冷静に見ることが出来る。
しかし、実際にトレードする時には時を早送りはできないので、色々な雑念が生じてしまう。
その雑念を認めなければならない。それは当たり前のことだから。
人間は感情の無いロボットではないし、熟練のトレーダーだって雑念を無くすことは不可能だろう。
そういう雑念も織り込んで、実際のトレードならどうしていたかと意識しながら検証しなければならない。
そういうことを続けていると、勝つ時は勝つし、負ける時は負けるんだから、勝つときにしっかり流れに乗って大きく取っていかないといけないということを、半ば諦めのように悟っていく。
「損小利大を実現するなら、そんなの当たり前だろうが」と簡単に思えるかもしれないが、これは本当に至難の業だと実感する。
「損小利大」というのは、人間の本能とは逆の思考回路がないと実現出来ない。
ほとんどの人は「損小利小」か「損大利小」になってしまう。
ノーベル経済学者のダニエル・カーネマンのプロスペクト理論がそうだが、文章で理解しても実行に移すのは天地ほどに開きがあると感じている。
そういうラインを超えられるのは、何度何度も臨場感ある検証をした結果得られる、諦めの感覚がついてからになる。
自分の頭の中にある都合の良いストーリーをマーケットに当てはめても、そんなものはマーケットには何の関係も無い。
検証を重ねながら、マーケットの動きは自分にはどうしようもない、とういうことを肌身で実感してからトレーダーとして一歩進めたと思う。

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